採用面接をきちんと突破する大事な要素に、「事前にしっかりとその企業について調べておく」というものがあります。企業研究、と呼ばれるものですね。どんなことをしている会社なのか、短期・長期それぞれの目標は何なのか、どんな信念を持ってどんな人物を求めているのか……20分もあれば調べることができるでしょう。というのも、ウェブサイトにそれらはほとんど掲載されているからです。今回は、それに加えて「さらに一歩踏み込んだ企業研究を行うために、何を調べたら良いか」を見ていきます。
応募要項
当たり前のことに聞こえますが、企業研究を始めるに当たってこれほど良いチェックポイントはありません。問題は、応募要項のほとんどが人事部によって書かれており、仕事の実態と書かれた内容には少し差があるかもしれない、ということです。応募要項に記載された、募集している人材や会社の沿革などは、ある種大前提として頭の片隅に留めながら、残りをチェックしていくと良いでしょう。ものによっては過去に書かれた文章をそのまま使いまわしている場合もあります。見定めるのが相当難しいので、応募要項に書かれた内容は鵜呑みにしない方が良さそうです。企業の思い描く理想像の一つとして捉えるくらいがちょうど良いでしょう。
会社概要
企業が自分たちをどう説明しているかを読み取れる場所です。多くの場合、企業のウェブサイトやパンフレットに記載されています。ここで注意すべきは、文章の内容よりも雰囲気です。前向きで明るく、向上心と将来性を感じる内容ですか? それとも実績と経験を誇り、安定性と堅実さをアピールしていますか? その企業の雰囲気が書かれている場所なので、自分の働き方と合致するかを確認してください。
ウェブサイト
これも当たり前のように思えますが、会社のウェブサイトを確認せず面接に挑む転職者も少なからず存在します。何を見ればいいかわからない、という場合でしたら、次の点に注意してウェイブサイトを訪問してみてください。まずは見やすさ。フォーマットが古い、スマートフォンに対応していない、テキストのフォントがバラバラ、情報がまとめられていない、読み込みに時間がかかる、検索一件目に出てこない、などはありませんか? もしそうであれば、IT部分のアップデートがされていない企業である可能性が高いですよね。逆を返せば、その方法でやってこれた会社であり、まだ導入していないIT部分を強化すればさらに伸び代がある、とも言えます。挑戦的な人には向いているかもしれません。次に製品やサービス。その企業が提供しているものが何で、それに大して多少の興味を持っているかは、働くモチベーションにおいて重要なものです。興味がないけどエージェントがおすすめしてくれたので、では面接も成功しませんし、企業に対しても時間を浪費するだけであまり良い機会とは言えません。最後にその企業の部署。記載している企業としていない企業がありますが、もしあれば確実に確認しておきましょう。会社概要に社員数何人、と書かれていても、結局自分が入りたい部署がどれくらいの規模で、他のどんな部署と連携しているのか、知っておくことは重要です。また、マネージャーや役員などとは面接の機会もあるかもしれませんので、顔と名前を軽く覚えておくことは損ではないでしょう。知らない人といきなり面接するより、多少でも知ってる人の方が、リラックスして臨むことができます。
年度報告書
株式公開企業なら必ず公表しているはずです。もちろん、何百ページもあるような分厚い資料を最初から最後まで読む必要はありません。最低でも次の二つに注目していれば大丈夫です。まずは冒頭に置かれるであろう、代表取締役からの文章。会社の内外に発信する重要なメッセージで、ここには前年度がどうだったか、来年度はどうするか、などが書かれている場合が多いです。その会社が来年は赤字の巻き返しを図るのか、さらなる躍進を見込んで商品開発に力を入れるのかなどがわかれば、自分との合致度も自然とわかってくるかと思います。次に、国際的な企業であれば検索機能(WindowsならCtrl+F、MacOSならcommand+F、iOSではURLバーに検索したい文字を入れ、表示されるリンクの一番下、ページ内検索)を使い、「Japan」「Asia」など日本を示すデータを探し出して読みましょう。日本での特別な記載がなければ、その会社が日本での展開に力を入れていないかもしれません。TokyoやOsakaといった、都市名で調べてみるのも有効です。
SNS
Twitter、Facebook、LinkedIn、Instagramなどで社名を検索してみましょう。企業の公式アカウントやページはヒットするでしょうか? あればそこから社風や最新情報などが入手できるはずです。また、ウェブサイトに役員や代表取締役の名前があれば、それを検索にかけてみても良いかもしれません。個人から公的に発信しているメッセージで、企業全体の雰囲気などが読み取れるかもしれません。
ニュース
企業名をYahoo! ニュースやGoogleニュースで検索し、何か出てくるか見てみましょう。直近で何か大きな動きがあったか、それともそもそもメディア露出をあまりしないのか、いろいろなことが読み取れるかと思います。
あなたの企業研究をアシストするため、「企業研究シート」もご用意しました。コピーして自由に書き込んでください。必要な箇所だけでも文字にすることによって企業の理解を明確化することを目的としていますので、綺麗に書いたり、全部を埋める必要はありません。