Banner Default Image

キャリアアップはどうやったら実感できる?

キャリアアップはどうやったら実感できる?

約3年前 by Reili Sweet
Entrepreneur 2275739 1920

より良い給料が欲しい、より重要なポジションや、大きなプロジェクトを任されたい。もっと欲望に正直になるなら、自分のやり方で仕事を進めたい、部下を持ち自分の仕事やノウハウを教えたい、時間的にも経済的にも、今より豊かな生活を送りたい。働く人なら誰もが抱く自然な願望ですが、同時に達成するのが難しいビジョンでもあります。これを実現する一番簡単な方法は当然「成果を出す」ことですが、ではどうしたら仕事において成果を出せた、と判断できるのでしょうか? ポジションや現在のキャリアによって大きく変わってきますが、今回は「営業・セールス」「マーケティング」「HR・人事」「サプライチェーン・物流」「経理・財務・会計」のポジションから、基本的な部分を見ていきましょう。キャリアアップを目指して転職活動を考えている人や、従業員や部下をどんな点で評価すれば良いのかわからない、始めたての人事担当者やマネージャーは、ぜひ参考にしてください。


営業・セールス

営業とセールスに厳密な違いはありません。外資系ではセールスと呼ばれるポジションは、平たく言えば営業のことです。混乱が生じないよう両方を記載しましたが、以下はセールスといえば営業だと思ってください。

セールスはかなり簡単に成長が実感できるポジションの一つです。セールスパーソンの成長は端的に言って「営業成績」の一言に尽きます。同僚よりも多くの商談をクローズし、多くの利益を上げること。そしてそのための努力を怠らないこと。何よりも、セールスが不振な時でも心が折れないこと、諦めないことです。セールスはかなり精神と根性が問われるポジションなのです。

だからと言って私は根性でキャリアアップを勝ち取れ、なんてことは言いません。きちんとやり方があるので、ご紹介します。最終的に相手の意思決定に委ねられてしまうセールスでは、相手の話を聞き、タイミングを見計らうことが重要になってきます。多くのセールスパーソンは自社の製品やサービスがどれほど良いものか説明しようとするでしょう。間違いではありませんが、それよりも相手の話を聞いた方が良いです。セールスは信頼なので、相手が「この人はしっかり自分と向き合ってくれる」と感じさせ、抱えてる不満を吐き出してくれれば、あとはそれを解決してやるだけでセールスは何倍も成立しやすくなります。売りも大切ですが、話を聞いて、適切なタイミングで「問題解決」を売れば、営業成績は伸び、結果キャリアアップにつながります。


マーケティング

マーケティングは少し違いますが、広報と考えてもらって差し支えありません。いかにして自社の製品やサービスを知ってもらうかを仕事としており、そのための手段を多様に持ち合わせた、クリエイティブな職業です。

このポジションの成長は一筋縄ではいきません。これを仕事にしようと考える人は、しっかりとした分析力と長期的な計画性を持ち合わせている必要があります。というのも、多くのものは何か広告を打ち出したからといって、それだけで爆発的にヒットするわけではないからです。そんなことがまかり通るのならば、この仕事は必要ありません。奔流する情報の渦から欲しいものを選択できる現在、いかにしてポテンシャルバイヤーを増やすか、ブランドイメージを向上させ、認知度を拡大させるか、あらゆる企業が日夜挑戦しています。

そこで重要になってくるのが、どのようなKPIを設定するか、です。マーケティングの仕事の半分はデータの分析です。例えばウェブ広告を打ったのならば、どれだけの人が見て、どれだけの人がアクセスしたのか、結果どれだけの売上に繋がったのか、見えない数字を可視化することが重要になってきます。評価されるには、これをただ可視化するだけでなく、「当初に設定していた目標とどれだけの差が発生したのか」「それはなぜか」「そしてその結果をどう次に活かすことができるか」まで言える必要があります。この一連の流れをスピーディに行えれば、それだけ良いマーケターと言えるでしょう。

また、ソーシャルメディアにおいても、フォロワーをどれくらい増やした、リーチがどれくらいあった、ブランドイメージをどう変化させた、など具体的なデータを提示できれば、ただ日々の更新に追われるよりも刺激と積極性を持って仕事を行うことができます。ゆくゆくはそれらをある程度「計画」できるようになれば、かなり評価が上がるかと思います。


HR・人事

HRと人事はほぼイコールです。人事は日本語の言い方、HRはヒューマン・リソースの略称で、英語の言い方です。

このポジションに従事する人は、生産性の増加がポイントになってきます。どれだけ生産性をアップさせたかを具体的にまとめることが、評価基準として大きいものでしょう。

例えば、Aさんは入社当初、経理を希望していました。しかし入社後にはまずどのような製品を取り扱っているか、どのような顧客を相手にしているかを知ってもらうため、営業に配属となりました。営業では良い教育係と上司の元、そこそこの成績を出し、本人も当初営業に感じていた不満は解消されつつあります。しかし、それでもAさんは面談において、経理のポジションへの異動を希望してきました。ここで、「営業にそのまま置いておく」か「経理のポジションへ異動させる」か、どちらがより生産性を上げるかをよく考え、正しい判断を下せる必要があります。

HRの仕事は他と違い、なかなかやり直しが効きません。消費するリソースが、人件費というお金はもちろんですが、それ以上に時間だからです。ポジションへの適性は数週間で出るものではありません。適性が低いままダラダラと仕事をさせていては、本人のやる気もダウンし、結果生産性は落ち込むだけでなく、無駄に人件費も消費していきます。しかも厄介なことに、この生産性というものは長期的スパンでなければアップしたかダウンしたかがわかりません。比較するものがなければいけないからです。ここをいかに見極められるようになるかが、HR担当者のキャリアアップへと繋がってきます。


サプライチェーン・物流

サプライチェーンと物流はほぼイコールです。サプライチェーンの方がやや広い範囲をカバーしているでしょうか。物流がモノの動きとそれに付随する仕事だとしたら、サプライチェーンは「製品を生み出し、消費者に届けるまで」の一連の流れをカバーしていると言えます。

サプライチェーン系の仕事は言ってしまえばルーチンワークです。平時にはどれだけ滞りなく業務を遂行できるかが鍵です。ミスなく、スピーディーに、仕事を次の人に回すことが評価へと繋がります。また、面倒だと思っても手順に従ったり、決まりを守ったりすることも重要です。理由があってそれらは存在するので、自らの判断だけで変えてトラブルを起こさないことは、必要な要素と言えるでしょう。

一方で、現在(2020年2月)発生している新型コロナウィルスなど、サプライチェーンに打撃を与えるトラブルが起こることもあります。機械の停止、海外に工場があれば国際情勢の変化、誰かのミスによる作業中断など、小さなトラブルが大きな影響を与えることもないとは言い切れません。このような場合に、どれだけ影響を小さくし、臨機応変に対応できるか、はかなり評価に関わってきます。冷静に対処したり、大きな流れの中でしっかりと自分の役割をこなしたりすれば、自然とスキルが身につき、キャリアアップへと繋がることでしょう。


経理・財務・会計

この三つを一緒くたにするのはやや難しいですが、キャリアアップのために求められる基本的な部分は共通しているのでまとめてお伝えさせていただきます。

言うだけなら簡単ですが、「どれだけ多岐にわたる業務を行えるか」もしくは「どれだけ専門性を高められるか」が鍵となってきます。数字なので間違いがあれば、誰かのチェックにより発覚しやすいポジションです。しっかり注意していればそこは大丈夫ですし、逆に誰かのミスを見つけて直すことができればそれもまた高評価です。しかし、これをするには要は「どれだけその仕事に対して知識を持ち、スラスラとこなせるか」が重要になってきます。順番が前後してしまいますが、これが第二の鍵である「どれだけ専門性を高められるか」です。

経理・財務・会計のポジションは一つの業務に対する専門性を高めることで非常に強いものとなります。ですが、それは多くの同業者が身につけているものです。この人たちよりさらに上を目指すためには、「どれだけ多岐にわたる業務を行えるか」が切り札です。勉強を続け、様々な資格を取得し、多くの業務を経験していくことで、「あの人は給与計算だけじゃなく年末や月末の調整も、年金や保険の業務に加えてさらに確定申告まで任せられる(相談できる)」といった具合に、評価と同時にキャリアのステップアップが見込めます。