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求められる人材になるために今日からできること

求められる人材になるために今日からできること

約3年前 by Reili Sweet
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誰もが一度は「企業が求める人材」や「転職 うまくいく人」といったキーワードで検索をかけたことがあるかと思います。そうするとたくさんのページが検索結果に出現し、「こうすればいい」「こういう思考をする人が求められる」など、いかにもな文章が踊っているのを見ることができます。ですが、そこにはきっと検索者が求めていた答えの半分ほどの情報しか載せていないページが多い、というより大半を占めていることでしょう。なぜならその検索結果のページには往々にして、「自分で考え行動できる人」「強みを活かすことができる人」「目標を達成したことがある人」「コミュニケーション能力の高い人」「リーダーシップがある人」「語学力や国際的素養がある人」「チームプレイヤーな人」「チャレンジ精神がある人」「独創性がある人」などと綺麗で素晴らしい言葉がたくさん並んでいるからです。マイナビが2017年の初めに発表した2万社以上に対するアンケートによると、企業……特に大企業が欲しがる人物像トップ5は以下の通りだそうです。

1位:意欲的である
2位:コミュニケーション能力が高い
3位:素直である
4位:真面目、または誠実な人柄である
5位:明るい性格である

これに「専門的なスキルを持っている」「行動力がある」「創造性がある」「主体性がある」などの項目が続きます。もちろん、これらは全て「優秀な人材」として大切な要素であり、社会人なら(あるいは社会人になるのなら)身につけておきたいスキルなのは間違いありません。しかし問題の本質はそこではないですよね。

もしあなたが同様の検索でここまでたどり着いたのなら、あなたが知りたがっているのは「ではどうやってそういう人になれるのか」「そういう人になるのに日々何ができるのか」ではないでしょうか。

今回は、「企業が求める人材」になるために必要なスキルを身につける、実践的な方法を「なぜ重要なのか」「どうしたら身につくのか」「面接におけるアピール方法」の3項に分けてお伝えします。人によってスキルの身につけ方は違うし、必ずしも誰にでも当てはまるものではないことはしかし留意してください。実践して役に立たなかった場合はぜひご連絡ください。私もその大切な情報を記事の改善に役立てたいと思っています。


意欲的 (Aggressiveness)

<なぜ重要なのか>
仕事に意欲的であるということはすなわち、その仕事に心から打ち込んでいるという証拠であり、企業が最も欲する要素の一つであることに疑いはありません。当たり前のようにも聞こえますが、
意欲的な人はそれだけ集中力があり、仕事における達成感ややりがいを感じ、生産性が高いです。やりたくないことをうだうだやるよりも、やりたいことを楽しんで行う方が心にも体にも会社にも良いですから。もちろん、誰もが意欲的に仕事に取り組めるわけではありません。むしろ、一番に求める要素であるということは、一番獲得しにくい要素という意味でもあるのです。

<どうしたら身につくのか>
これには様々な方法があり、ここで紹介するのはその一つでしかありません。意欲とはやりたいことをやっている時に一番湧いて来るもので、それは人によって様々です。社外で営業をかけている時が一番楽しい人がいる一方で、データを打ち込んでいる時が一番楽しい人もいます。
自分がその仕事に対して好きな部分をしっかり見つけて、それを迅速に、かつ的確に行う。そうして自分の得意な面を上司に知ってもらえれば、おのずとその仕事や、少なくともそれに近しい仕事が入って来やすくなるでしょう。マネージャーというのは常に適材適所を求めています。自分は何が適しているのか伝えておくのも、意欲的に仕事を行うモチベーションになるかもしれません。もし仕事に何一つとして意欲を見出せないなら、転職を考える時なのかもしれないですね。

<面接でどうアピールするか>
意欲的な姿勢を見せるのは簡単だけど、言うなれば誰もが示していることでもあります。それを差別化して
アピールするには、単純に「この仕事がどれだけ好きか」ではなく、「どれだけ効果を出せるか」を伝えると良いでしょう。もし業界や職種に精通していないのであれば「素人考えですが」と前置きして自分が入社後にどうその仕事をこなせるか、どれくらいの効果を生み出せるかを数字を交えて伝えられると印象は良くなります。働く前から考えてくれている、ということで貢献したいという姿勢もアピールできます。

コミュニケーション能力 (Communication skills)

<なぜ重要なのか>
これが重要な要素ではないと言える人はいないと思います。
コミュニケーションはどんな状況や仕事でも大切で、同僚や他部署、取引先など、人は常にコミュニケーションをしながら生きています。それでもマイナビの調査でこの項目が二番目に来たのは、職種によっては常時誰かとコミュニケーションをとっているわけではないからです。プログラミング関係の仕事はコールセンターの仕事よりコミュニケーション能力の優先度が低い、といった具合です。

<どうしたら身につくのか>
コミュニケーション能力に限って言えば身につけるというより自然と身につく場合が多いです。学校などの限られた社会の中で徐々に育んでいくものであり、また慣れ親しんだ相手なら臆することなくコミュニケーションが取れることも多いはず。そのため、今回は「初対面の相手に対して」のコミュニケーションの切り口を一つお伝えします。コミュニケーションの最たる例は人と人の会話です。もちろん、ファーストコンタクトをメールですることもあるでしょう。それでも言葉のやり取りがあることは変わりはありません。そこで大事なのは「不快感を与えない」「会話のリズムを保つ」ということです。丁寧な言葉遣いと落ち着いた声のトーンで話せば客引きでもない限り断られることは少ないはずです。また、人は話を聞くよりも自分のことを話したがる生き物でもあります。
極度に人見知りだったり、緊張してしまう人、話をするのが難しい人は「聞き役」に徹すると良いでしょう。適切なタイミングで相槌を打ったり、「それで?」「他には?」などと続きを話すよう促すことができれば、聞き上手として円滑なコミュニケーションが取れるようになります。これは対面の会話でも、電話越しでも、ビデオ通話でも同じです。

<面接でどうアピールするか>
面接もコミュニケーションの一種であり、常にコミュニケーション能力が見られていると思っても良いでしょう。そこでできることはしっかりと話すことです。
堂々と、自信を持って、落ち着いたトーンではっきりと話すこと。そのためには面接の対策をしっかり行い、練習と準備を怠らないことが大切です。弊社でも難しい外資系企業の面接に際して、しっかりとコーチングと対策を行っています。ほかの人材紹介・転職コンサルティングサービスでもエントリーすれば対策を共に考えてくれるはずですし、練習もしてくれるので、是非とも活用してみてください。

素直 (Honesty)

<なぜ重要なのか>
これは調査によると大企業よりも中小企業が重視した項目のようです。とすれば指示をしっかり守る社員が欲しい(=言うことを聞く社員が欲しい)というより、「
社風を受け入れてくれる社員が欲しい」ということではないかと推測できます。指示を守る社員はどこの会社も欲しがるし、もしそうであればこの項目の重要性が大企業と中小企業との間で差を作らないはずだからです。では社風を受け入れてくれることの何が大切なのか。これは割と日本的な考え方なのかもしれませんが、調和を乱さないことが生産性の向上に繋がる部分もあるのです。我慢しろ、ということではなく、同調することによって人間関係に波風を立てず、穏便にことを済ませビジネスに集中することが、特にその会社に外部から入ってきた場合に「素直」と表現されるのです。外資系企業では意見を言い、成果を出すことが重要である一方、やはり素直さは必要となってきます。それはもし自分が間違っていた時にそれを受け止める素直さであり、また従来の自分のやり方に固執せず改善していく素直さのことなのです。

<どうしたら身につくのか>
素直さを鍛えるには相手の言葉にいちいち反論しないことが重要となってきます。意見の食い違いは受け入れ、受け入れた上で自分の意見を伝え、どうにかお互いに妥協できる場所を探す。もしどうしても相手に受け入れてもらえないならコミュニケーションの方法を変える。会話がダメならメールで、といった具合です。
会話における素直さを鍛える方法は相手を真っ先に否定しないことが挙げられます。これは納得もしてないのにわかりましたと言え、ということではありません。「なるほど、あなたの考えはわかりました」と理解を示すことなのです。また、自分が間違っていた時にはそれを素直に認め、謝り、改善を図るのも素直さであり、これも意識すればできないことではありません。プライドが邪魔をしているだけです。

<面接でどう伝えるか>
残念ながら面接で素直さを伝えるのは非常に難しいといえます。ほとんど不可能と言っても良いかもしれません。なぜなら
ひねくれた態度で面接に臨む人はほとんどいないからです。どうしても自分が素直であることを伝えたい場合は、他者……元同僚や上司、友人などからレファレンスをもらい、それを確固たるソースとして面接官に伝えることが最善の方法となってきます。ここで脚色したり、嘘をついたりしてはいけません。そういった不正はなぜか見抜かれるので、それこそ「素直に」伝えるようにしましょう。

真面目さ、誠実さ (Diligence, Sincere)

<なぜ重要なのか>
そもそも先の項目とかぶる部分も大きいですが、こちらではどちらかというとひたむきさや嘘をつかないことの要素を示しています。この要素の重要度は語るのは簡単ですよね。誰も不真面目な人とは働きたくない、というだけのことです。生産性の低下が懸念されるだけでなく、
不真面目さは伝播するものであり、一人が不真面目なだけで周囲がそれに引っ張られていくのです。あいつは不真面目なのに自分だけ真面目に働いて、といった感情や、同じ給料なのに、というストレスが不真面目さを会社全体に感染させていきます。会社という生き物にとって不真面目さはウィルスであり、真面目さ、誠実さはワクチンなのです。

<どうしたら身につくのか>
真面目さは他者からの評価を受けて自分の中で育ちやすいものです。「真面目だね」と言われればより真面目になるもので、褒められる喜びが人を成長させます。そのために
真面目に働く時間、集中する時間を勤務中に作ることが大切となるでしょう。例えばランチまでの1時間、終業までの1時間、全力で真面目に、コーヒーブレイクも挟まずに仕事に向かう。終わらせられれば満足感が、終わらなければ改善すべき要因が得られるはずです。やがてその集中力が1時間から1時間10分、1時間20分と伸びていき、勤務時間中の真面目さへと変わっていきます。

<どう面接で伝えるか>
誠実さ、真面目さは事前準備で伝えることができます。謎かけのように感じるかもしれませんが、
真面目な人ほど準備を怠りません。そして準備してきたかそうでないかは、面接官は見抜くことができます。しっかり準備しているなと思わせることこそ、最大の真面目さアピールなのです。

明るい性格である

<なぜ重要なのか>
例えば、ここに二人の人物がいるとしましょう。二人とも意欲的で、それぞれ違う方法でコミュニケーション能力が高い。仕事にも誠実で、言われたことは素直に自分のものにしてしまう吸収力を持っています。一人は非常に明るく前向きで、もう一人はやや自虐的で沈んだ性格です。どちらと仕事したいか? と問われれば大半の人が「明るい方」と答えるでしょう。学校などでも見たことがあるはずです。
明るい性格のクラスメイトの方が友達が多く、社交的で周囲に人だかりができている様子を。明るさとはそれだけで場を盛り上げ、楽しませる力を持つのです。職場という環境の中でもそれは同じで、良い仕事をするにはとても大切な要素だと言えます。

<どうしたら身につくのか>
明るい人は総じて「幸福度」が高い傾向にあります。では幸福度を高めるにはどうするか。これも検索すれば方法はいくらでも出てきますが、何よりも自分が楽しい、嬉しいと感じることをすることです。それが休むことなら休めばいいし、歌うことなら歌えばいい。まずは幸福度を高めること。不満を感じながらでは人に優しくすることも、明るく振舞うこともできません。幸せな気持ちでいれば自然と明るくなってくるとも言えます。
心にゆとりを持つことで、総合的に自分の気持ちをプラスへと動かし、それを態度で周囲にも伝えていくのです。

<どう面接で伝えるか>
明るさは第一声で伝わる部分も大きい要素です。笑顔を見せること、しっかりと挨拶をすること。この二つさえあれば第一印象は明るいものにできるし、そうなればあとは相手に「明るい人だったな」というイメージが残ります。もし本来は明るくない人がこれを実践する場合は、
自分を明るい性格のキャラクターだと思い、なりきって話すのが早いでしょう。取り繕うのではなく、もう一人の自分を演じてしまうのです。そうすれば自然とオンとオフの切り替えができるようになってくるでしょう。ただし、これは諸刃の剣です。一度気を緩めると「明るくない方の自分」が滲み出てしまいます。それで仕事に支障が出なければ問題ありませんが、もし問題になるようであれば別な対策を講じなければいけません。無理のない範囲で、例えば口を少し大きく開けてはっきりと発音する、普段より笑顔を意識して相手の話を聞く、話を聞くときはうなずく回数を増やす、などでも見違えて明るくなるはずです。

いかがだったでしょうか。今回紹介した方法以外にも各要素を身につけたり、アピールしたりする方法はあります。どんな方法でも一番大切なのは「自分にとって効果がある」と信じることです。