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外資系企業が求める英語力

外資系企業が求める英語力

約2年前 by Reili Sweet
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外資系企業が必要としている英語力は、業界やポジションによって全く違います。イメージ通り「ビジネスのメールや会議、日常会話からちょっとした報告まで全部が英語」という企業がある一方で、「本社からのメールの応対以外には英語を使わない」なんて企業もあります。そのため「外資系」という大きなくくりにおいてどれほどの英語力が必要となる、といった明確なデータはありません。ハイレベルのTOEICスコアや英検の資格をいくら持っていても、それだけでは言語能力というのは測れないからです。ではどうしたら十分な英語力があると言えるのでしょうか。今回、FocusCoreの各チームマネージャーに話を聞いたところ、企業やポジションで必要とされる英語力は千差万別であるものの、ある程度の共通点と言えるようなものが見えてきました。

リーディング

文章を読む能力は非常に重要とされています。外資系企業とはいえ、その実情と運営方針には幅があり、とある会社が本社と日本支社とに同じレベルの権限を与える一方、日本支社は日本での営業所レベルのものと考えている企業もあります。しかしどちらの場合も英語の読解、リーディングに関しては非常に重要になってくるのです。というのも、外資系企業はグローバルに展開している企業。多様な言語を使うスタッフにメールを送る際、英語に統一されていることが多いでしょう。それを読むのに必要な英語力がリーディング。本社からの最新の情報に早く触れるだけでなく、翻訳して意味が変わってしまい、正しい指示を理解できないといったトラブルも未然に防ぎます。

ライティング

読解と同様、書く能力も大切でしょう。しかし、読む方が圧倒的に重度が高いです。外資系企業で送られてくる英語のメールは、全体に向けた本社からのメッセージである場合がほとんどで、返信が必要な場合は少ないか、専用の返信フォームが添付されている可能性もあるでしょう。マネージャークラスならともかく、社内公用語が英語でなければ直接の指示とそれに伴う返信は日本語で送られてくる可能性が高いです。それに、リーディングができればある程度のライティングもできると考えられるため、心配しすぎることはありません。

リスニング

おそらく最も重要な能力です。英語はボキャブラリーのみならず言語の派生のバリエーション……いわゆる訛りが非常に多様で、誰もがリスニング試験問題のような聞き取りやすい英語を話してくれるわけではありません。そこでどんな英語でも理解できるようにすることが大切で、正しく聞き取ることができれば正しく返事をすることも可能です。相手もまたあなたがネイティブスピーカーではないことは承知なため、「もう少しゆっくり話してください」などのリクエストにも応じてくれます。

スピーキング

この中で重要度がある意味最も低く、そして同時に高い能力です。リスニングだけではコミュニケーションは一方通行。そこで大事になってくるのがスピーキング、発話能力ですが、きちんと相手に意思を伝えることができれば発音に関してはカタカナ英語でも何の問題もありません。リスニングでもお伝えした通り、相手はあなたがネイティブスピーカーでないのを承知した上で聞き取ろうとしてくれますし、一番よろしくないのは「発音が綺麗じゃないから」と喋ることに臆病になることです。発音が下手というのは思い込みです。ぜひ「イギリス英語やインド英語と同じく、それが日本英語だ」と割り切って、しっかりと話してください。

アクティング

基本的な要素は上記の四つだけですが、会話において重視されるのは「うまく聞き取る」「自然に話す」だけではなく、アクティング……行動やボディランゲージといった要素もあるのです。特に日本人が頑張るべきは握手でしょう。年々進む国際化によって珍しいものではなくなりつつあるとはいえ、握手はまだ挨拶として完全に定着したわけではありません。相手の目を見据えてしっかりと手を握り、笑顔を向けるという自然な行動でも、練習不足や自信の欠如があればぎこちないものになってしまいます。そういった行動の一つ一つが、外資系企業の採用担当者にとっては「この人は本当にうちで働けるのだろうか」という疑念を抱かせるものとなる可能性があります。面接では力みすぎず、完璧ではなく「人柄と有用性」を見せることを意識すると良いかもしれません。

まとめ

淀みのない英会話能力、自然で間違いのない読み書き、パーフェクトなコミュニケーション……実は外資系企業はそこまでハイレベルな英語は求めていないのです。もちろん、レベルが高いに越したことはありませんが、一番大事なのは「コミュニケーションをしよう」という気概。聞き取り、それに対して間違ったり言い淀んだりしてでも自分の意思を伝えるということが重要のようです。英語のレベルは入社後にも上げられますし、自然な英語というのもそれを使う環境の中で過ごすうちに身につくものです。まずは拙くてもコミュニケーションをとり、クオリティは後から上げていけば良いのです。大事なのは物怖じせず、自信を持って話すこと。臆することは自信のなさを表し、たとえ英語が堪能でも面接の場では他の候補者に負けてしまいかねません。