自動化、ロボット、人工知能の発達はワクワクする話題ではありますが、あらゆる業界でたくさんの仕事に取って代わる労働力となり得ることは常に危惧していなければいけません。経理財務の仕事も例外ではなく、間違いなくこの”侵略”を受けることになるでしょう。
経理財務や会計の仕事は繰り返しや計算、ロボットが得意としている作業にあるため、多くが自動化しやすい傾向にあります。デトロイトの調査によると、会計・経理・財務の実に56%の仕事が機械によって自動化できるという結果も出ています。
現時点で「最高財務責任者」「会計士」「金融サービス提供者」「アナリスト」、もしくは類似した会計·経理·財務の職種でキャリアを形成している、あるいは形成したいと考えている人は、機械化を免れるにはどうするべきか研究を始めるべきでしょう。自動化の波は来ているのではなく、もうそこにあって始まっているのですから。
それではいくつか「機械化防止策」をご紹介しましょう。
資格取得
知識、経験、専門性が高ければ高いほど、機械に仕事を取って代わられることは少なくなるでしょう。CPA、CIA、CFE、日商簿記などの資格と同時にSAP、ERPといったソフトウェア関係のスキルを合わせれば、資格を必要としない”作業”をより得意とする機械に対抗することができるでしょう。
専門資格は自分の仕事をよりロボットプルーフ(高機械化耐性)にできます。ロボットがサービスを提供しづらい·できない分野での資格を獲得すれば、さらに強固なものにできます。例えば、ITの基礎知識を持ちながら財務会計のスキルや資格を追求すれば、企業に任されたタスクを達成するだけでなく、ロボットの業務パフォーマンスを向上させる方法を見つけることも可能となります。
戦略的再編成
戦略的再編成 (Strategic retooling) とは、他業界、違う分野、別部署とクロストレーニングを行うことで、あなたの将来をロボットプルーフ化する方法の一つです。あなたの仕事がロボットによって”侵略”を受けている、あるいは受ける可能性が高い場合、受けにくい部署や業界とクロストレーニングを行うことで他のスキルを学び、自分の仕事に活かすことが可能です。
例えばアナリシス(分析)のポジションがロボットによって窮地に立たされている場合、セールスやコンサルティング、もしくはそのたバックオフィス業務へと目を向けてみましょう。業務内容によってはよりロボットプルーフなものも存在します。資格やスキルがあればあるほど、機械に取って代わられる可能性が下がります。
リーダーシップ及びマネジメントスキル向上
私たち人間がロボットと決定的に違うアドバンテージは、感情や心に基づいて考え、動機付けし行動できるという点です。コンピューターやロボット、AIは数値を計算したり、データ分析に基づいた傾向と対策を算出したりは我々人間より長けています。一方で気持ちや心、感じ方といった「データ化しづらい」人間の側面には遅れを取っています。感情に基づくクライアントや業界·市場の反応に関しては人間の方が優秀なのです。
こういった人間の資質は、リーダーシップを発揮する上で最も重要なものと言えるでしょう。人的スキル(共感性や臨機応変性といったソフトスキル)を磨くこと、またビジネスの基盤にある人間性を理解することは、その他のマネージャースキルと合わせて、あなたが血の通わない機械に打ち勝つことを助けてくれるでしょう。
あなたの未来を自動化から守る時は今です。ロボットたちはすでにそこで出撃を待っています。しかし、侵略の中でも生き残る方法、機械化の時代の中でもしっかりとスキルを活かして仕事を続けていく方法はあるのです。