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年収ガイド2023、その分析と来年度版について

年収ガイド2023、その分析と来年度版について

22日前 by Reili Sweet
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毎年この時期になると、弊社では年収ガイドを公開しています。そして、今年もその準備を着々と進めていますが、せっかくなのでここで昨年集めた、すなわち2023年版のデータの解説と、現在予定している2024年版に掲載される予定の内容をご紹介したいと思います。

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最初は集めたデータの母体を紹介するため、その人のレベルや年収、企業規模などを回答してもらいました。弊社はマネージャー以上のミドル・シニアレベルの転職を主軸にサポートしていますので、必然的にマネージャーレベル、年収も1100万円以上が多くなりました。会社規模に関しては大企業の方が多い、という回答を得ましたが、これは企業に所属する人数が多ければ、当然その企業からの回答が多くなるので必然といえば必然ですね。無作為抽選ではなく、弊社のパートナー全員に回答をお願いしているので、弊社と取引があるのが中小企業よりも大企業の方が多い、ということかもしれません。


次の項目から弊社独自のデータとなっています。最初の質問は「仕事をする上で一番重要なことは何か?」というものです。2023年版では、一番多かった回答が「社風、他の従業員との人間関係」で29.3%、「キャリア構築、はっきりとした将来のビジョン」がわずかに届かず27.6%という結果でした。一方で、仕事をする理由として一番大きいと予想された年収はわずか9.2%にとどまりました。これは「仕事を選ぶ理由」ではなく、「仕事をする上で」の最重要項目として選んでもらった結果だと弊社では考えています。すなわち、ここで一番言われている社内文化や人間関係を円滑にできれば、離職率を抑えることが可能、ということです。


この年収ガイドを作成した時はまだコロナ禍真っ只中と言われていた頃だったため、いくつかの項目に分けて「ここ数年で変化したと感じたことは?」という質問もさせていただきました。少し駆け足ですが紹介していきたいと思います。

仕事と私生活のメリハリに関しては「はっきりした」が14.3%にとどまり、「曖昧になった」と回答した人が85.7%を占めました。業務時間、柔軟性も増加したと回答があったため、在宅ワークが可能になったため、多くの人が仕事が私生活に侵食してきたか、その逆を強く感じていたようです。同時に収入も上がった、という回答も82.3%と多く、在宅業務での手当や業務の見直しによって昇進や昇給といったことが発生したことが考えられます。

ストレスは57.3%が「減った」と答え、42.7%が「増えた」と回答しています。しかしながら、66.2%が「社内コミュニケーションが難しくなった」としており、同時に68.6%が「他の従業員との関係性が良くなった」とも回答しています。ここからわかることは、オフィスで働く際の煩わしい人間関係や上下関係が目に見えて減少し、それらを汲み取る、いわゆる「空気を読む」必要性が減ったことで、不要な人間関係における軋轢が減ったことを示唆していると考えられます。しかしながら、人によってはコミュニケーションを積極的にとることで仕事が効率化するというタイプもいるため、ストレスの質問では改善した、が6割に届かなかったのだと分析します。

これに関連して「自分に最も合ったワークスタイルは?」という質問では、「出勤完全自由」がぶっちぎりの50%以上を獲得しており、ほとんどの人が業務時間や場所にとらわれず働きたい、と思っていることが伺えました。同時に興味深かったのが、次点で「出勤2日」「出勤3日」が続いたことです。他人との対面での交流は必須と考える人でも、毎日は避けたい、という傾向が見られました。


他には「今のあなたの仕事は完璧ですか? もし改善できるとしたら、それはどんなことですか?」という自由記述の質問もさせていただき、こちらでは多くの人が「ワークライフバランス」と回答しました。他にもユニークな回答を多くいただきましたが、ワークライフバランス以外では「将来性(昇進などのキャリアビジョン)」「ワークスタイルの変化」「マネジメントの改善」「学習機会」など、最初の質問(仕事をする上で最も重要なことは?)に即した回答となっていました。重要と考えていることが必ずしも与えられているわけではない、ということがわかります。


社内コミュニケーションの難化も想定されていたものだったので、「コミュニケーション改善に何をしましたか?」という設問も用意しました。20.34%が「何もしてない、悪化していない」との回答をくれましたが、残りは「オンラインや電話でのミーティングの機会を増やす」「社内でのエンゲージメントを増やす」「オンラインツールの導入」「オフィスで仕事をする」「オンラインイベントの開催」「社員向けメールマガジンの配信」など改善策を用意していました。


こんな感じのデータを揃えています。内容は全て英語ではありますが、他社では見られないデータを集めて会社運営の参考になるように努めています。類似した内容もありますが、2024年版で注目したいのは、「コロナ禍で導入したもので、今後も続くと思われるものはなんですか?」という設問です。おそらく多くが「在宅ワーク」と回答するはずですが、そうではない回答があれば、多くの会社が参考にできる可能性があるため、期待したいですね。他にもD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)に関する質問も用意しているため、そちらにも注目です。


年収ガイドはこちらから、誰でも無料でダウンロードすることができます。2024年版も完成したら弊社のパートナーにメールマガジンを通してお知らせするため、ぜひご登録ください。