自分のこととなれば問題ありませんが、チームメンバーのモチベーションを上げるのに「もっと情熱を持たないと、もっとモチベーション上げていかないとダメだよ」なんて言ってはむしろ逆効果です。とはいえ、チームの中にやる気のない人が一人でもいると、プロジェクト全体が崩壊する危険性はあります。これを避けるにはどうしたら良いのでしょう?今回はチームリーダーとして、モチベーションマネジメントを見ていきます。
昇給
最も効率的で、そして最も難しい方法は給料を上げてやることです。これに関しては詳しい説明をせずとも、その効果はわかるものと思います。「この仕事に満足していない」が「この仕事に満足していないが、マネージャーは私の働きを認めてくれている」という認識に変わることも、それがストレスをある程度軽減できることも伝わるでしょう。しかしこの手段は劇薬です。一度問題をお金で解決してしまうと、他の方法で似たような問題を解決できなくなってしまうからです。昇給やボーナスには必ず理由をつけ、またチームメンバー全員を可能な限り平等に扱うよう意識しましょう。
対話
ストレスとは解消できないと当然積み重なっていくものです。気持ちを聞いてくれる相手がいない、自分だけぞんざいに扱われている気がする、気にかけてもらったり、仕事に対して正当な評価をもらえていないような気がする……そうした気持ちの積み重ねは、モチベーションを大きく下げることとなります。誰も喜んでくれない人のために何かしようという気にはなれませんよね。これを回避するには、チーム内でのエンゲージメント、絆を強くする必要があります。飲みニケーションと揶揄されたりもしますが、飲食や会合の席を設けることは、コミュニケーションの機会を与えてくれます。他の人が何を思い、どんなことに価値を感じ、チームリーダーやプロジェクトマネージャーとして、どうやってその思いに、価値観に寄り添えるかを考えるのです。だからといって「君のことを全部知りたいんだ、なんでも話してくれ」なんて態度ではもちろんいけません。そんな信頼を構築できていない関係性では、何も話してもらえないどころか、ショックを与えてしまいかねません。まずは職場での歓談などで「同じ釜の飯を食える仲」までは進展させておきましょう。
仕事のしやすい環境づくり
チーム内に変化を作るのも、課題を明確にした後や職場環境の改善には非常に重要です。その内容は「10分以内の休憩ならば誰に何を報告せずとも席を離れても良い」といった簡単なものから、「効率アップのために積極的に道具や機材のアップデートを行う」といった具体的なものまで、多岐に渡ります。オフィスに座り心地の良いソファを置いたり、社員間で共通の趣味があるなども仕事のしやすい環境を作るのに貢献する時もあります。チームに貢献したくなる、チーム内の誰かのために頑張りたくなる要因は、それこそ無限にあります。個人でその希望は違うものですが、ミーティングを通して要望は聞き入れることができます。大事なのは「このチームのために働きたい」という気持ちにさせることと、そのための環境を作ることです。
個人の働きを明確にする
そもそも何のために働いているのかわからない、という人がチーム内にいるかもしれません。その人は、あなたと同じような仕事に対する喜びや充実感を抱けていません。そして残念なことに、充実感は誰かから手渡してもらえるほど単純なものでもありません。マネージャーやチームリーダーの立場でできることは、全てを共有することです。それこそ、意思決定プロセスやチームマネジメントを公開したり、時には参加させることで、プロジェクトの全体像を共有し、任せている仕事がどのように影響しているか理解させることです。なぜ働くのか、それがどう影響するのかを知ることは、仕事に対する熱量を見つける手助けになります。もちろん、全員に対する解決法ではありませんが、一つの手段としては間違いなく有効です。
競争
順位付けは熱意を生み出します。課題解決に向けたレースには、モチベーションに火をつける力があります。ゲームでは他のプレイヤーやランキング、強敵や過去の記録、謎解きなどと常に対決する関係にあり、創造性を発揮して幾度も挑戦します。そして目的が達成された時、喜びます。こうした「順位付け」は、チーム内のゲームチェンジャーになる可能性があります。
マネジメント権限
責任、ないしはより大きな権限はモチベーションを上げる要因の一つです。なぜ働くのかの理解が先に必要ではありますが、達成されれば権限の一部を任せることで、プロジェクト全体のスピードアップを可能にするかもしれません。そこから発生する「貢献している感じ」は個人のモチベーションを高めてくれるでしょう。これを一般的に「昇進」と呼びますが、チームリーダーやプロジェクトマネージャーが全責任を任されているのであれば、チームメンバーに意思決定を任せることは責任感を増大させるだけでなく、あなたの仕事を楽にしてくれるかもしれません。
最新コラム
エグゼクティブサーチのための戦略的パートナーシップ
弊社はエグゼクティブサーチへの深い理解と日本市場に対する豊富な専門知識によって、クライアントとの最適な形での業務提携を行っています。