日本で「言語の壁」を越えるには

2024年11月19日

こちらの記事によると、日本のEF英語能力指数は最低の92位である、という結果が報告されました(https://shorturl.at/ADZwO)。2011年から調査が始まって以来最も低い順位であり、すでに困難な採用市場において、課題が上乗せされるような状況を物語っています。労働人口の減少と少子高齢化がすでに人材確保の難しさに拍車をかけている中、若い世代の中で英語スキルが目に見えて下がっており、今後ますますバイリンガル人材の採用と育成が困難になる見通しです。

外資系企業にとって、これは無視できない問題です。十分な英語力は国際的なチームにおけるコミュニケーションとコラボレーションにとって必須事項であり、強固なコミュニケーションは企業の成長にとって必要不可欠だからです。この英語力低下、人口減少と少子高齢化を受けて、日本に進出してきた外資系企業は次のような問題に直面しています。

  • 採用プロセスの長期化:バイリンガル人材を見つけ出すことが困難になり、採用通知を出すまでの時間が長くなっている。
  • 採用にかかる費用:トップ人材を採用するために、企業側は給与の引き上げや福利厚生の充実、条件の譲歩などを迫られている。

国内の英語力を高めるのは長期的な計画と努力が必要ですが、すでにビザ政策の見直しや修正に政府も動き出しています。教育プログラムの再構築など、必要な対策もまだ多い中、企業や候補者の方からもこの課題に対して対策をし、状況を打破することは可能です。

候補者ができること

  • 学び続ける:日本語であれ英語であれ、語学スキルはとても重要です。英語講習、多言語交流会、ビジネス英会話レッスンなどが例として挙げられます。習得に時間はかかりますが、その成果は大きいです。
  • トランスファラブルスキルを強調する:これまで培ってきたスキルが、次の仕事でどのように活かせるかを明確にすることです。時には、経験と専門性が求められている英語力を上回ることもあります。まだ英語力に不安がある状況でも、それがあれば他のバイリンガル人材と渡り合う十分な武器となり得ます。
  • サポートしてくれる企業を探す:日本にオフィスを持つ多くの企業は、言語学習のためのトレーニングコースや、場合によっては通訳を雇用することもあります。国際的な人材を採用する企業を調べ、そこで自身に合ったポジションが存在するかどうか探すのも良いでしょう。

企業ができること

  • 多言語需要の再検討:全てのポジションがマルチリンガルを要求するわけではなく、また多くの成功者も、一部日常会話レベルの言語スキルで成功しているのは事実です。その業務の専門性や企業文化への合致などを重視することで候補者プールの拡大が可能で、これは特に顧客と直接向き合わないバックオフィス系のポジションに適応できる考え方です。前述した通り、一部企業はコミュニケーション恒常のために通訳を雇うこともあるくらいです。
  • 語学トレーニング:ビジネス英語や敬語の講座を社内で用意する、従業員の技術向上と定着率増加を目的としたものです。バイリンガルな人とそうでない人とをチームアップさせることで、技術・言語両面でのサポートと向上を図ることも可能です。
  • 専門的なリクルーターと提携する:バイリンガル人材のマーケットを理解したリクルーターと連携することは、企業の採用にかかる時間を短縮し、必要な人材を素早く見つけ出し、市場のニーズに合わせた採用企業ブランディングで人材を惹きつける助けとなります。

日本でのバイリンガル人材確保に向けた競争は激化の一途を辿っています。しかしながら、多言語ニーズを見直し、語学スキル向上に力を注ぎ、国際コラボレーションを促進させることで、企業は近年明確に浮上してきた課題と戦っていくことができます。

ここまで話された課題に対して、あなたの企業ではどんな取り組みが行われていますか?何が効果的で、何が障壁となりましたか?よかったら thomas@focuscoregroup.com まで教えてください。

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