
特に重要なポジションの採用を決める際に、採用担当者は誰の意見を信じて意思決定をするべきでしょうか? CFOやカントリーマネージャーなど、上のポジションであればあるほど、その採用は多くの人に影響します。しかしながら、代表者の一存だけで決めるわけにも、前任者と違うマネジメントスタイルの人を、というだけで決めるわけにもいきません。ならば、決め手はどこにあるのでしょう?
業務の棚卸しをする(前任者)
今現在の担当者がどんなことをしているのか、全てを把握していますか? 特に外国の本社がある場合、日本支社はその独自性からブラックボックスになることも多々あります。担当者が日常的にどんな仕事をし、どんな情報を集め、誰と会議を行い、どんな報告をし、何を成果としているのか。それらをブラックボックスの中で網羅しているのは、他ならぬ当人のみです。業務内容のみならず、明記されていない「目に見えない仕事」まで明確にし、どんな人材が本当に必要とされているのか、という判断に役立てましょう。
現場に必要なものを知る(部下)
その担当者が、直属の部下にあたる人や、同じチームメンバーの人とどのように接して、どのような印象を持たれているかは、やはりその当人たちしか知り得ません。ここで知るべきは日頃のコミュニケーションなどが円滑だったかだけでなく、「付け加えるならばどんなマネジメントスタイルの人が欲しいか」ということを調査することです。日本支社の従業員にしかし突然そんな連絡をとっても驚かれるだけな上、場合によっては英語ができるのは「欠員の出ているマネジメントポジションの人だけ」ということもあります。日頃から情報共有をしておくことで、このようなトラブルや不都合を避けることができ、現場にとって本当に必要な人材の採用に尽くすことができます。
上げて欲しい情報をまとめる(報告先)
例えば日本支社を統括している人物や、APACリージョンを担当しているような人物であれば、報告先は本社の役員やマネージャーになることが多いです。両者間の報告や情報共有は理にかなっているものでしょうか? データをより見やすくするためにどんな改善ができるのかはもちろんのこと、報告形態はメールが望ましいのか、それともオンラインミーティングが理想なのか、そもそも日本市場の独自性から実は報告書自体を重視しておらず、担当者を完全に信頼して一任してしまっているのか。こういったことは報告を受けるその人に確認してみるしかありません。
社風への合致や共感(代表取締役)
忘れてはいけないのが、新しい人がどれだけ社風や企業理念に共感できるか、です。これは企業のトップ、社長、CEO、代表取締役、創設者などに確認をとり、採用したいと考えている人と会社との認識に相違がないかをチェックしておく必要があります。ここが合致していないと、せっかく採用した人物がまた転職するまでのスパンが短くなってしまいます。
日本では2024年現在、特にコロナ禍で発生した新しい取り組みが根付いてきたことや、税金や物価の上昇を受けて、給料面での待遇を重視する傾向にあります。これは言い換えれば、水準以上の金額を提示することができれば、候補者の応募は見込める、ということです。一方で、欧米で重視されるダイバーシティやSDGsなどは、それが知られていながらも一個人における重要度は低めです。トップの言葉や理念も重要ですが、それが日本の候補者にとって真に共感できるものであるかどうかの見直しと、場合によってはメッセージの真意を伝えるための再翻訳なども必要になってくるかもしれません。
条件の合致(採用担当者)
採用担当者であるあなたの意見もまた、他と同様に重要です。最初に考えるのはおそらく候補者の経験や労働条件が募集内容と合致するか、かと思います。しかし同時に、「どこを譲歩できるか」「日本支社にとって利益となるのはどの候補者か」を決めることができるのは、あなただけなのです。
一人で悩まない
重要な判断というのは、一人で決めるのは荷が重く、かといって自分より上の判断ばかりを頼るわけにもいきません。採用パートナー企業や、弊社のような人材紹介コンサルタントを活用し、最適な採用を行いましょう。もし採用プロセスや候補者不足で悩んでいるとしたら、ぜひinfo@focuscoregroup.com まで気軽にご連絡ください。すぐにミーティングをセットして、あなたの助けになれるよう尽力します。
最新コラム
エグゼクティブサーチのための戦略的パートナーシップ
弊社はエグゼクティブサーチへの深い理解と日本市場に対する豊富な専門知識によって、クライアントとの最適な形での業務提携を行っています。