
DHLグローバル・フォワーディングは、DHLグループのフォワーディング部門であり、国際航空貨物および海上貨物輸送サービスを世界的なネットワークを通じて提供しています。日本では、東京、大阪、名古屋といった主要物流拠点で事業を展開し、現地の専門知識を活かした輸出入ソリューションを提供しています。同社は、様々な業界に対して信頼性の高い輸送、通関、およびコンプライアンス重視のサービスを通じて、円滑な国際取引を支援しています。
日本国内において、航空貨物部門はDHL最大の組織単位です。東京航空貨物支店(成田および羽田空港を含む)は、業務負荷が最も高い拠点であり、輸出入業務、国内配送、倉庫管理を担っています。約70名の社員と複数のロジスティクスチームが稼働するこの現場を、次なる成長フェーズへ導くために、DHLは新たなゼネラルマネージャーの採用を目指しました。
課題
この採用プロジェクトには、いくつかの特有の課題がありました。
本ポジションでは、航空貨物およびフォワーディング業務に関する深い専門知識に加え、20年以上勤務するベテラン社員を含む大規模かつ複雑なチームを率いる強力なマネジメントスキルが求められました。さらに、勤務地である成田は東京中心部からの通勤が難しく、多くの有資格者にとって立地が障壁となっていました。
社風への適合性も重要な要素でした。成田の航空貨物チームは、どの企業であっても、結束力が強く確立された独自のワークスタイルを持っており、新しいリーダー、特に外部からの人材に対しては抵抗感があることが一般的です。理想的な候補者は、業務経験、チーム内コミュニケーション能力、そして外交的手腕を兼ね備え、既存チームの信頼を得ながら業務改善を推進できる人物である必要がありました。
さらにこのポジションは航空貨物部門のゼネラルマネージャーに直接報告し、グローバルな関係者との連携も求められるため、日本語と英語の両方に堪能であることが必要でした。また、陸上輸送、倉庫運営、サービスセンター管理などの幅広い経験も望まれました。
アプローチとメソッド
FocusCoreは、複雑かつ繊細な本採用プロジェクトを成功に導くため、リテインド契約(専任型)でサポートを開始しました。初期段階では、関係者への詳細なヒアリングを通じて、組織構造、期待値、成田拠点の戦略的ビジョンを深く理解することから始めました。
業界に関する深い知見を活かしながら、FocusCoreはDHLと協働し、技術的知識と高いEQ(感情的知性)を兼ね備えたリーダーシップ像を明確化。ベテランチームに溶け込みつつ、改善と成長を推進できる人物像を定義しました。
解決と実装
FocusCoreは、外資系・日系のフォワーディング企業を対象に100名以上の候補者と接触。DHLの複雑な業務環境に適応できるリーダーシップ、運用知識、文化的適合性を重視して評価を行いました。
採用プロセスを通じて、FocusCoreはDHLジャパンの経営陣と密接に連携し、迅速に優秀な人材を紹介することができました。
結果と影響
綿密かつ慎重な選考を経て、理想的な候補者がゼネラルマネージャーに就任しました。彼は、外資系・日系企業でのゼネラルマネージャーや支店長などの上級職を歴任し、業界経験も豊富でした。海外での業務経験や複雑な航空貨物オペレーションのマネジメント実績もあり、事業と文化の両面での深い理解を持って成田拠点をリードするにふさわしい人物でした。
日本語と英語の両方に堪能で、共感力・組織力・成果志向を重視したリーダーシップスタイルを実践。着任から90日以内に、既存チームとの信頼構築を進めるとともに、納期短縮や業務ボトルネックの解消を目的としたパフォーマンス指標の導入に着手しました。
学び
本プロジェクトを通じて、単なる職務記述書の内容を超えた理解の重要性が改めて認識されました。文化的な要素が技術的なスキルと同等に重要となるポジションにおいては、潜在的人材への的確なアプローチと、現地の業務環境に対する深い理解が不可欠です。
DHLグローバル・フォワーディングにとって、この成功した採用は、成田という重要な貨物拠点における長期的な安定と成長の土台を築くものでした。このプロジェクト以降も、FocusCoreは日本国内における戦略的人材採用においてDHLと継続的にパートナーシップを結んでいます。
エグゼクティブサーチのための戦略的パートナーシップ
弊社はエグゼクティブサーチへの深い理解と日本市場に対する豊富な専門知識によって、クライアントとの最適な形での業務提携を行っています。