
日本には数多くの祝日が存在します。なんとなくカレンダーに書かれていると嬉しくなるそれらですが、海外のビジネスパートナーから「そうなんだ、それってどういう日なの? どんなことするの?」と聞かれた際に、きちんと答えられる自信はありますか? 日本の文化や風習についてきちんと回答できるよう、復習してみましょう。
1. 元旦(1月1日)
日本における最も重要な祝日の一つで、新たな年を迎え祝う日です。寺社へ初詣に行ったり、伝統的なお節料理を食べるほか、新年で行う行事も目白押しです。新年の時期は遅くて7日まで続くこともあるので、外資系取引先や、外国に本社がある企業には、場合によっては7日以降まで連絡が取りづらくなることもあることを伝えておくと良いでしょう。
2. 成人の日(1月の第二月曜)
英語では”Coming of Age day”と呼びます。成人として社会の一員になることを祝う日です。近年では成人年齢が18歳に引き下げられたこともあり、成人式も「二十歳の集い」と呼ばれることもあります。新たに成人を迎える子供が家族にいる場合は、この日は一日中連絡が取れない、ということもあります。
3. 建国記念日(2月11日)
紀元前660年に日本の初代天皇・神武天皇が即位したことに由来する日です。
4. 天皇誕生日(2月23日)
その時の天皇陛下によって祝日となる日が変化します。2025年現在は2月25日にあたります。明治天皇の時代では11月3日、大正天皇は8月31日、昭和天皇は4月29日、2019年までは12月23日がそれぞれ天皇誕生日として祝日とされていました。
5. 春分の日(3月20日または21日)
昼と夜との時間が同一になる春分が起こる日とされています。法令上では「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」と記されています。東京では例年通りであれば、春分の日から少しして桜が開花する予報が出ますので、開花が早ければこの日に合わせてお花見などを行う人もいるかもしれません。
6. 昭和の日(4月29日)
元は昭和天皇誕生日であり、現在は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日として制定されています。また、昭和の日はその年のゴールデンウィークの開始でもあるので、多くの日本人はこの日、早ければ昭和の日がある週の始まりから有給を取り、長期休暇に入って連絡が取りづらくなってしまいます。国外からの急な連絡に対応できなくなる旨は、あらかじめ伝えておいた方が良いかもしれません。
7. 憲法記念日(5月3日)
1947年に日本国憲法が施行されたことに由来する日です。1947年のこの日から、日本国憲法が効力を発揮するようになりました。
8. みどりの日(5月4日)
「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心を育む」ことを趣旨とする日です。1989年に、天皇誕生日が変更となるに際して、それまで天皇誕生日だった4月29日をみどりの日とし、その日が2006年に「昭和の日」とされると、みどりの日は国民の祝日とされていた5月4日に移動となりました。英語では”Greenery Day”であり、グリーンデーではない点に注意が必要です。
9. こどもの日(5月5日)
子どもの健やかな成長を祝う日……ではなく、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨とすることが祝日法に記載されています。この混乱は、同日に男の子の成長を祝う「端午の節句」があり、そちらの祝い事が慣習として行われていることが原因です。
また、この日はゴールデンウィークの終わりでもあるため、翌日には溜まった仕事に取り掛かることになります。国外のパートナー企業などには、5月5日以降に再び連絡が取れるようになることを伝えておくと、スムーズにことが進むでしょう。
10. 海の日(7月の第三月曜日)
A day to celebrate the ocean and maritime activities, including beaches, boat trips, and coastal tourism.
祝日法では「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」ことを趣旨とする日で、海の日 (Marine Day) を国民の祝日と位置付けているのは現在、日本のみとなっています。もとは7月20日と日付が固定されていましたが、2003年の法改正により現在の形となりました。
11. 山の日(8月11日)
2016年に制定された、国民の祝日の中では最も新しい祝日です。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日とされています。8月の真ん中にある日ということで、学生はすでに夏休みに入っていますが、同時に学生の子を持つ社会人にとっても、休みが取りやすい日ということで、お盆と繋げることを目的としてこの日の前後に有給を使うこともあり、山の日以降はお盆明けまで連絡が取れなくなることもあるでしょう。
12. お盆(8月13日から16日)
日本において、お正月に次いで重要とされる祝日期間であり、先祖を敬い、家族と会い、墓参りなどを行う期間です。日本独自の習慣ではありますが、外資系企業などに説明する際には、近しいものとしてメキシコの死者の日などが該当します。
お盆期間中はほとんどの社会人が休みを取るため、仕事の急な連絡もつきづらくなってしまいます。事前にその旨を伝え、混乱を避けるようにしておきましょう。
13. 敬老の日(9月の第三月曜日)
年長者を敬い、その長寿を祝うことを目的とした祝日です。また、カレンダーの日付の並びにyっては、続く秋分の日や週末と合わせてシルバーウィークとされることもあります。
14. 秋分の日(9月23日または24日)
春分の日と同様、昼と夜の長さが等しくなる日です。連続してお休みを取る際には、国外のパートナー企業や担当者にその旨をあらかじめ伝えておくと、トラブルを回避できます。
15. スポーツの日(10月の第二月曜日)
1964年に東京オリンピックが開催されたことにちなんで制定された祝日です。運動やスポーツが推奨されており、この日を理由に地域のスポーツクラブや自治会などがイベントを行うこともあります。普段運動をしていない人は、翌日に筋肉痛や疲労感を引きずることもあるので気をつけつつ、もしそうなる心当たりがある場合は事前に準備しておくと良いかもしれません。
名称に違和感を覚えた人もいるかもしれませんが、元々「体育の日」だったものが、より広義の意味を持つ「スポーツ」へと、2020年に改められた経緯があります。
16. 文化の日(11月3日)
「平和と自由を愛し、文化をすすめる」日として、1947年から開始されました。博物館や美術館が無料になる、などの催しを行うこともある日で、お出かけ日和の晴れになることも多いとされています。
17. 勤労感謝の日(11月23日)
「勤労をたつとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう」ことを趣旨とした祝日です。年間としてはこの日が最後の国民の祝日となります。
上記に加えて大晦日時期もありますが、多くが12月29日ごろや、12月の最終週末をスタートとしていたり、クリスマス時期には自発的に休みを取るなど、祝日としては数えられていません。
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